非正規労働者への「ゼロ回答」許さない
6月全国大会への職場の声を組織しよう
3月16日に「日本郵政ベア、民営化後最高4800円」と報じられました。その前日の政労使会議での岸田首相「賃上げ」発言を受け、日本郵政とJP労組本部は春闘を妥結しました。
その一方で、岸田政権は軍事費2倍化の大軍拡・大増税で労働者民衆から搾り取る「アメとムチ」をやっています。ウクライナ戦争の泥沼化の中、世界中でインフレ・物価高騰への怒りが爆発しています。イギリスやフランスを中心に、ストライキの大波が起きています(写真)。こうした労働者の闘いを日本でも起こさせないための「賃上げ」です。
正規・非正規の分断許さない
しかし許せないことに、非正規労働者にはベアがありません。
今回、特別一時金として「正社員・期間雇用社員等全社員に7万円」となりました。夏期・冬期休暇については6月全国大会で取り扱うとしていましたが、「正規・非正規に各1日を付与」として会社持ち出し分を賃上げ財源にするとしています。最高裁判決は「正規と非正規の格差」を問題にしていたのであり、「正社員の権利を減らして非正規に分けろ」とは誰も要求していません。等しく労働者の権利を維持し向上させるのが労働組合の役割です。
6月大会開催地の沖縄の非正規の仲間が春闘妥結後の職場集会で「非正規ゼロ回答を許さない! 戦争反対で闘おう!」と発言すると、「よくぞ言ってくれた」の声が上がりました。
日本郵政とJP労組本部による現場の分断を許さず、労働者として人間として「おかしいことはおかしい」と言える分会・支部をつくろう。6月大会へ職場の声を組織しよう!
戦争協力のための「労使共同宣言」
岸田首相は5月広島G7サミットを見据えてウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領との首脳会談で「ロシア制裁とウクライナ支援の継続」を訴えました。「首相が戦場に行くのは太平洋戦争以来」と報道されています。
この間、広島市教育委が平和教材から漫画『はだしのゲン』と、1954年にアメリカ水爆実験で被ばくした漁船「第五福竜丸」の記述を削除すると判明し、抗議の声が噴出したばかりです。ウクライナ戦争の泥沼化と台湾をめぐる米中対立。日本も参戦当事国として「新たな戦前」というべき情勢に入っています。日本の戦後労働運動は「戦争絶対反対」からスタートしました。労働組合が帝国主義戦争に率先協力した苦い経験を踏まえてです。
今はどうか? 「安倍国葬」には連合・芳野会長が出席し、戦争協力の道へ舵を切っています。昨年のJP労組全国大会で採択された『ロシアによるウクライナ軍事侵攻に抗議する特別決議』では、「ウクライナポストの仲間は、命の危険と隣り合わせの中でも郵便や年金を届け、懸命に国民生活を支えている。私たちは想像することさえ出来ない過酷な環境で、ユニバーサルサービスを守っている仲間に心から敬意を表し…」と、ウクライナ郵便労組の戦争協力を賛美しています。
銃弾の下で配達などしてはいけない! 「安全最優先の集配業務」はどこにいったのか。職場では『交通事故撲滅の労使共同宣言』が「事故を絶対に起こすな!」と組合員を締め付けています。事故をなくすため、安全確保のために闘うのが労働組合の役割です。『交通事故撲滅の労使共同宣言』が「戦争協力の労使共同宣言」に変わった時、組合員の命が戦争に差し出されます。かつての「逓信報国団」がそうでした。
今の戦時下で「戦争反対!」を言うことは勇気がいります。かつても反戦を訴えれば「非国民」と弾圧されました。だからこそ労働組合のもとに団結して反戦闘争に立ち上がろう!
「労働組合交流センター」とは?
「闘う労働運動の再生」をめざして1989年に結成。民営化・非正規職化・団結破壊に抗し、連合・全労連などのナショナルセンター・産別・所属労組の枠をこえ、全国的な労働者の団結をつくるための組織です。毎年11月には、動労千葉などが呼びかけて東京・日比谷野音で労働者集会を開催しています(下写真)。
ビラへのリンク